日本がん登録協議会 第35回学術集会 米子大会
会長 尾﨑 米厚
(鳥取大学医学部 社会医学講座 環境予防医学分野)
2026年6月11日(木)〜13日(土)に、鳥取県米子市にて第35回日本がん登録協議会学術集会を開催いたします。会場は、JR米子駅から徒歩圏に位置する「米子市文化ホール」です。
本大会のテーマは、「がん登録情報のその先へ~科学と政策をつなぐ架け橋~」です。全国がん登録制度の開始から10年を迎える今、がん登録情報は「収集・整備する」段階から、「科学的知見の創出と政策形成に活かす」段階へと、質的転換を求められています。現場の実務者、研究者、行政担当者、政策立案者が分野の垣根を超えて情報を共有し、がん対策の未来を共に形づくる──本大会ではそのような橋渡しの場となることを目指しています。
今回も、例年ご好評をいただいている実務者研修会と実務者の情報交換の場「実務でGo!」を大会初日(11日)午後に開催いたします。全国の現場でがん登録に取り組む皆さまにとって、日々の業務に直結する実践的な知見の共有と学びの機会となるよう、内容の充実を図ってまいります。
12日午前中から始まります学術大会本体では、従来のような協議会の各委員会によるシンポジウムに加え、新たに設置された「利活用委員会」との共同企画によるシンポジウムも検討中です。また従来のように口頭演題発表、ポスター発表のセッションもございます。登録情報の「使われ方」や「使われるべき未来」をめぐって、より多角的な議論が展開されることを期待しています。また、本大会では「学会長講演」は設けず、その代わりに山陰にゆかりのある識者による「平和」をテーマとした特別講演を現在交渉中です。がん対策やがん予防を考える前提の最も根本的な土台には「平和」があると考えます。平和を達成するための方法につながる貴重な実例を共有できればと願っています。
開催地となる米子市は、鳥取県西部の中核都市であり、「大山と中海、日本海に囲まれた自然と人のまち」です。交通アクセスにも恵まれ、空路、鉄路等を利用して、全国からのアクセスが可能です。米子市内には、最近人気が高まっている米子城址、皆生温泉が、隣接自治体には、ゲゲゲの鬼太郎ロード、初夏の秀峰大山、足立美術館・加納美術館等、豊富な観光資源が揃っています。また、食の楽しみも多く、山陰の多彩な海の幸、果物等の農作物、鳥取和牛等をお楽しみいただけます。水と緑の風景に包まれた穏やかな環境のなかで、学びと交流のひとときをお過ごしいただければ幸いです。「情報交換会」は、限られた予算の中でご満足いただけるよう、キッチンカー等による縁日方式を検討中です。
第33回(出雲市)に続き山陰での開催となりますが、米子周辺には、多くの観光資源がありますし、少し足を延ばせば「まんが王国とっとり」を感じられる観光スポットもございます。講演、シンポジウムや口演発表は後日オンデマンド配信する予定ですが、是非とも多く方に現地参加をしていだき、鳥取県内に宿泊していただきますお願い申し上げます。この地に皆さまをお迎えできることを、地域の関係者一同、心より楽しみにしております。
日本のがん登録のさらなる発展のために、本大会が実り多い機会となるよう準備を進めてまいります。全国の皆さまのご参加を心よりお待ち申し上げております。